異世界到着

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浮かび上がるように明かりの中に出てきたのは、とても綺麗な男の人だった 亜麻色の長い髪に、紫色の瞳をした綺麗な顔立ちの人。一瞬、女の人かと思うくらい その人はゆっくりと近づいてきて、私の前に膝を折った 「私の名は、紫廉(しれん)と申します。龍姫様、どうか心を落ち着けてください」 耳にすんなり入ってくる、心地よい声だった 知らない人なのは今倒れている人達と同じなのに、何も怖くない 「あの…」 「貴方の心が彼らを戒めているのです。無礼の数々は私が代わってお詫びいたします。どうか、心を落ち着けて彼らを許してあげてください」 確かに拒絶はした。でもこんな力、私にあるはずがない でもどう考えても原因は私だ。私の気持ちが現状に繋がっているとしても、否定しきれない でも、怖い もしも許してこの人達が自由になったら、私はどこかに連れて行かれるんじゃないか。今度こそ酷い目に遭わされるんじゃないか 緩く首を振って恐怖を訴える だが紫廉と名乗った彼は穏やかに、とても優しく笑いかけた 「大丈夫、必ず守ります。何人も貴方に害を及ぼすことはできません。どうか、信じてください」 「本当に?」 「えぇ、誓って。だからどうか一言、許すと言ってください」     
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