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自己紹介
本当に、映画のセットみたい
外に面した廊下から、綺麗な庭が見渡せる
柱なんて朱塗りで、飾りがついている
ただ、映画のセットではない使っている感じがある
彼らに連れられて廊下を歩いているけれど、空気が重い
会話がないし、表情が硬い
「あの…」
「すみません、重苦しいのでしょ?」
亜麻色の髪の、紫廉と名乗った人がずっと隣にいてくれる
重苦しい空気に耐えられなくて声をかけると、その人は困ったように笑ってくれた
「ここまはだ、気軽に会話が出来る場所じゃないのです。もう少しお待ち下さい」
「あ…うん」
気軽に話しが出来ない場所って…なんでだろう?
「まぁ、もうちょっとさ。ほら、あの扉を越えれば自由に話せるからね」
黒髪のイケメンが指さした先に、青い扉が見える。渡り廊下の先だ
扉の前に立つと、先を歩いていた赤髪のイケメンが開けてくれた
そしてその先に広がっていた世界は、まるで幻想の世界だった
「綺麗……」
思わず呟いた
外廊下に傘を差すように、淡いピンク色の花が枝を張って咲き誇っている
それが行灯の明かりに仄かに照らされて、神秘的に見える
「気に入ってくれたかな?」
鳶色の髪のイケメン君が、やんわりと笑いかけて聞いてくる
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