【青森で聞いた二つのお話】

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ある晩の事です。 ある男性(仮にBさんとしておきましょう)が、 浅虫温泉から青森市街に向かって車を走らせていました。 (恐らく、温泉でヒトップロ浴びた帰りなんでしょうな) Bさん「早く家に帰ろっと」 Bさんが車を走らせていた道路というのは、道幅が広い幹線道路なのですが、 途中に民家もコンビニも全く無いカナリ寂しげな道路でした。 Bさん「確か… もう、そろそろトンネルだな…」 と、 少し先の方に… Bさんの予想通り、トンネルが見えてきました。 Bさん「…あれ?」 運転しながら窓の外を見たBさんは、ちょっと驚きました。 と、言うのも… トンネル横の… 道路脇の草むらの中で、 こちらに背中を向け、しゃがみ込んで、何やらごそごそと探し物をしている様子の人影が見えたのです。 時間は… もうすっかり深夜の時間帯…。 Bさん「はて…。 こんな遅い時間に… こんな寂しい場所で一体、何を探してるんだろう…」 Bさんは気になり、車を道路脇に停めると、車の窓を開けて人影に話しかけました。 Bさん「もしもし? 何かお困りですか?お探し物ですか?」 と… その人影は、ゆっくり立ち上がると… こちらを振り返りました。 周囲が薄暗いので、 はっきりと顔は見えませんでしたが… 見た感じ… 若い男性の様でした。 若い男性「ええ…。 さっきから探しているんですが、全然見付からないんですよ」 若い男性は、Bさんに話しかけながら、こちらに向かってゆっくりと歩いてきました。 若い男性「あなたは…知りませんか? 僕のカノジョの……
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