プロローグ

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美夢とは藤崎美夢(ふじさきみゆ)葵の幼馴染みで、一緒の大学に通っている。 「相変わらずですよ…」 歩はどこかほっとした表情で言った。 「そっか…元気がなりよりさ…」 葵が切り出した。 「で…わざわざ帰国してすぐに、僕を呼び出したのは?…」 「君の顔を見たかった。ではダメかい?…」 「まさか……」 歩は少し表情を硬くして言った。 「九条が倒れた…」 その言葉に葵の顔も硬くなった。 「九条さんが?…なぜ?…まさか…」 「現在…昏睡状態らしい…。原因は不明だ…」 九条司(くじょうつかさ)…。衆議院議員、九条外務大臣の次男で、有名な青年実業家…。 歩と同じく夏の事件で知り合った。 葵は聞いた。 「で、今は?」 「有紀がいる大学病院で入院している…いくかい?」 「僕が行かないとでも?…」 「まさか…ただの病気なら、君は来ないだろうが…、九条は昏睡状態だ、君が来ないわけない…」 葵は立ち上がった。 「行きましょう…」
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