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そして、怪談話を何話か話し終わった時にそれは起きた。
ボトッ…
「えっ?!」
「はっ??」
「何っ?!」
三人の驚いた声が重なった。
どうやら棚に並べてあったクマのぬいぐるみが落ちたようだ。
しかし、そのぬいぐるみはそんな簡単に落ちるようなものではなく、地震があるか、誰かが棚にでもぶつからなければ落ちるはずなどなかった。
もちろんその時は地震もなければ、誰も棚にぶつかってなどいない。
私も友達も奇妙な出来事に少し怖くなった。
だけどこの部屋で皆このまま寝なければならない為、私は何でもない風を装う。
「大丈夫、ぬいぐるみが落ちただけだよ!きっとちょっと傾いてたんだね」
そんな言葉を発した直後
ズズッ…
ズズッ…
ズズッ…
「ッ…!?」
誰かが悲鳴を飲み込んだ。
その奇妙な音はぬいぐるみが落ちた所らへんから何かが畳の上を這うような…そんな音だった。
その音は部屋の端でゆっくりと移動しながら、部屋をぐるぐるぐると回っているようだ。
私たち三人は恐怖でしっかりと手を繋いでいたので、三人の誰かが驚かそうとしてやっている可能性はなく、しかしそこには確かに何かが存在していた。
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