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貧乏学生の俺、難波圭人(なんばけいと)が、安いボロアパートに引っ越して二週間。
いつもなら、しんと静まり返っている筈の丑三つ時。
俺は貴重な睡眠を邪魔され、ひたすら鬱々としていた。
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン……
それは、隣の部屋から聞こえてくる呼び鈴の音。
もう二十分、その音は鳴り続けている。
(いい加減にしてくれよ。こっちはバイトで疲れてるってのに……今何時だと思ってるんだ?)
これだけ鳴らして出て来ないのなら、住人は明らかに留守だろうに。
その内に諦めるだろうと、俺は頭から布団を被り我慢をし続けている。
その音が聞こえ出してから三十分が経った頃。
ピンポーン……
呼び鈴の音がようやく鳴り止んだ。
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