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お誘いを受けたこと
八月に入ったある日。
その日はこれでもかという晴天で、真っ青な空にでっかい入道雲。
これぞ夏の空って感じだ。
帽子を被ってなきゃ、外を歩くのはちょっとヤバそう。そうでなくても炎天下で立ちっぱなしってのはね。女子として。そう、女子としてどうよ。
まだ午前中というか、朝八時だからマシだけど、昼を迎えるころにはさぞかし大変な事になっているだろう。
そういうわけで、私は今、駅の改札近くにいる。理由は簡単直射日光を浴びずに済むからだ。
ここで私が何をしているかというと、海咲ちゃんを待っている。
正確には、海咲ちゃんとその従姉のお姉さんを待っている。
事の起こりは一昨日。
映画に行った一件以来、私達はよく連絡を取り合うようになった。
ほっぺにチュウももらったし、親密度はかなり高いと自負している。
私は海咲ちゃんとしゃべり、海咲ちゃんとお茶をし、海咲ちゃんの事を考え、海咲ちゃんに愛の念を送って夏を過ごしている。
その傍ら、粘膜を鍛えるべく、ネットサーフィンにも果敢に挑んだ。粘膜を鍛える方法を模索して検索サイトのはしごを繰り返し、結果としてビタミンや鉄分を大量に摂取した。
摂取した物の効果は確かめねばならない。そこで致し方なく深夜に如何わしいサイトなどをこっそり覗いてみたりもした。
残念なことに海咲ちゃんほどの魅力をもった的な肉体をネットで発見することはできなかった。従って、サプリの効果も良くは分からない。
だが、海咲ちゃんのすばらしさを再確認できたという点では、非常に高い成果を上げたと言えるだろう。
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