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 どうしたのだろう。今まで、こんなことはなかった。  あったら大変だ。生徒の姿で勃起など。だが、今、現に、自分の感じている淫らな姿を、生徒に見られていると意識するだけで、いっそう前がかたくなった。このかたくなった先を、こすりつけたい、挿れたい。生徒の前で、淫らな欲求に支配されていく自分を安田は恥じた。だが、やめられない。もう精を放つまで止められない。触手の動きに身をまかせながら、もっと、もっと快楽を、と安田は、身をよじって求めた。 「先生……」 西島が、すがりついてくる。 「やめろ、来るな。来なくていい」 安田は、西島の身体を押しのけた。  こんな、快楽にとりつかれた無残な姿の自分を生徒に見せたくなかった。床に転がった、ちりとりを手に、化け物に近づこうとする西島を、安田は声で制した。 「危ない。やめるんだ」 「だって、先生……」 西島は、果敢にも細腕で、武器を振りかざしたまま、困ったようにつぶやいた。 「危ないから……来るな……あっ……ん……」 止めようとしているのに、あまりの快感に、いやらしい声まで出てしまう。生徒の前で、こんな声を出すなんて。こんな声を聞かれるなんて。立ち直ることのできないような屈辱だった。 「先生!」 西島は、心配そうな声で、寄ってこようとする。 「いい……来るな……来ないでくれ……」 安田は、腕を振った。見られたくない。こんな姿を。快楽にあえぐ淫らな姿を、生徒に見られるわけにはいかなかった。  安田の、へそのあたりの肌を、ヌルヌルした触手の先が触っていた。  いや、そこではなく、もっと、もう少し、そっちの方を触ってくれ。  安田は、湧きあがる、淫らなおのれの欲求を呪った。なぜ、そんなこと!  衣服にぴったりと押さえつけられた安田の性器に、なかなか触手は触れてくれない。  ビリっ、ビリリッと布地の裂ける音がした。触手が、安田のワイシャツを、ついに引き破ったのだ。素肌が西島の前にさらされた。 「先生……」 西島が、ぼうぜんと、真っ赤になった顔で、安田を見つめていた。 「やめ……やめろ……」 安田の上半身の衣服を引き裂いた触手は、のたうちまわりながら、さらに下半身の衣服の内にもぐりこみ進んでいった。  触手の先は、ビッ、ビッと、少しずつ布地を引き裂きながら進む。 「やめろぉぉぉ!」 安田は、絶望的に叫んだ。
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