第零話 プロローグ

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剣と魔法の世界に転生出来る? なら行くしか無いでしょ!! 「是非お願いします!!」 「えっ!?い、良いんですか?元の世界に戻れなくなりますよ?」 「んな事言ったって、どうせ戻れないんでしょ?」 「確かに、このまま元の世界に転生しようとすると、少なくとも数十年掛かりますが・・・」 え?そんな掛かるの? 「うん。じゃあその世界・・・『アルジーア』だっけ?そこに転生するわ」 「は、はい。分かりました・・・では、少し失礼しますね」 女神はそう言うと、両手で俺の頭の横に触れ、目を瞑った。 「あ、あの・・・何してんの?」   「はい。折角なので、色々と特典を・・・」 いきなりの事だったので、俺は顔を赤くして動けずに居たが、そんなのお構い無しに女神は俺の中に『何か』を送り込んでいる。 「・・・はい。終わりました」 「一体、何を・・・?」 「『ジルアース』で生きる為に必要な全てを貴方にあげました。具体的には ・常人を遥かに上回る魔力量 ・魔法を自在に扱える能力と知識 ・世界の知識 ・高い身体能力 ・魔力探知 ・言語翻訳 以上です」 成る程・・・って、多くね? 「妙にハイスペックになってる気がするんだが?」 「はい。ハイスペックにしました♪」 「あ、そう・・・」 良い笑顔で言われたので、これ以上追及出来なかった。 美女の笑顔って、凄いね。 「あ、あと・・・何かこうして欲しい、と言うのは有りますか?」 「え?そーだな・・・」 女神の問いに、少し悩む。 ・・・まぁ、すぐに答えるけども。 「じゃあ、1つだけ」 「何でしょうか?」 「向こうでは子供から生きたいから、そうなる様にして欲しい」 「お安い御用です。それなら、『アルジーア』の家庭に産まれる様に致しますね」 「うん、ありがとう」 そう言って俺は女神から少し離れた。 すると、女神が両手を組み、何やら呪文の様な言葉を呟いた。 直後、俺達の間の足元に、直径2m位の穴が開いた。中を見ると、虹色に光っている。 「これは『虹の門(ビフレスト)』・・・貴方の様な人間を別の世界に送る為の物です」 「へー・・・じゃあ、ここに入れば『アルジーア』に行けんの?」 「はい。『虹の門』を介して、貴方の魂を『アルジーア』のある家庭の元へ送ります・・・心の準備はよろしいですか?」 女神の問い掛けに答えようとした時だった。 頭上から、少女の声が聞こえた。
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