ひとつに解け合うまで

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怒涛の記憶が流れている 深い川にのまれている その戦場に生れ落ちた魂は 自らの意思でそこに辿り着いた 研ぎ澄まさなければ感じられない尊い光を求めて あなたは果敢にもその激流へ身を投じたのよ 人の子は親からそれを受け継いでいる 辛い記憶がその行動の根本に存在している 激しい感情と記憶がつながっていて 刺激を受けるたびに悲鳴と痛みに身悶えている その痛みの鎖に子供を繋いでしまう 何が幸せなのか公平なのか わからないから気付かない 自分が体験した拷問を子供にも背負わせてしまう それが不幸だと気付けば止められるのに 気付けば変えられるのよ 気付かなければ永遠に繰り返すの その無限ループから脱するかどうかの 「本番」をやっているのよね 人生は 「魂」には痛みも悩みもない 人としている間にだけその特別な環境で葛藤を味わう 研ぎ澄まさなければ感じられない尊い光を求めて 私達は果敢にもその激流へ身を投じたのよ 悩みも生きる難しさも何もない世界は 無味無臭無色で平和だから退屈なのよ あなたも私もない 誰かと誰かという境界線も無い それが素晴らしいと同時に 時間も休息もない だから反発し合うことも欲するように求めているの 虚無と存在は紙一重なのよ プロセスはそれぞれ自由なスタイルで問題ないわ どんなに短くても長くても どんなに極悪非道で愚かでも どんなにセレブで豊かでも どんなに極貧で惨めでも どんなに病弱で辛くても たどり着くゴールはみーーーんな同じなの お好みの演出でドラマを創作しているの 他人に利用されたり馬鹿にされることなんて幻想で 自分さえ自分の好みを知っていれば 他人に付き合うのも自由だし 他人のドラマから離脱するのも自由なの 自由なのよ お好きなままに どうぞ、あなたの人生は あなただけのもの 関わる人と交流できて相互与え合い教え合うの 見上げたり見下したりする必要もないの お互いそこに居ることだけが真実でいいのよ 幸福にものさしは要らない 誰もが皆いつかはひとつに解け合うのだから
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