第3章 そして現在の状況にいたる

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そんな厄介な事情を思い出しつつ、初めから期待していなかったイルに無属性魔法である《ボックス》から何枚かの書類を取り出して差し出す。 ちなみに、無属性魔法持ちは基本的に持って生まれる属性が無属性一つ、稀に二つだったり、それ以上持っていても使い勝手が非常に悪く、寧ろ障害になる属性の場合が殆どだ。 ただし、この《ボックス》の元となった【空間】属性の《異空間収納》ように、無属性ほどでないにしろ希少な空間属性は、『実際にある空間を拡張する』という使い方が主なので、無属性のように亜空間を自分の魔力量次第で無から作り出せる訳ではない。 更に使用するのが自分のみで不必要の場合は閉じて置けば問題ない無属性に対し、空間に干渉し保ち続けなければならない為その分魔力量を必要とする空間属性は、次第によっては勿論限度はあるが空間属性と似たような用途にも応用可能な無属性と違い融通が利かないので、少々使い勝手が悪かったりする。
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