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「ん?これは……『王立エルディノ学園入学許可書』……って、自分手配したのか」
「父上と母上にこの間、依頼関係で会う機会があったんだけどね、その時『今は学園の授業時間じゃないのか?』って聞かれて、その時やっと僕自身も学園に入学可能な年齢になっていたのを思い出して。学園に入学していないことを知った父上と母上が慌てて手配してくれたんだよ。いや~参ったね。時が経つのは本当に早い。僕にとっては瞬きの間に過ぎる時であれども、人間にとっては結構な時間だってことをすっかり忘れていたよ」
「まあ、神サマにとっちゃあ俺ら人間なんぞその程度だろうなぁ。まあ、何にしろアイツらには礼言っとかないとな。預かってる愛娘を返せとか言われてももう仕事という地獄を見る羽目になるのはごめんだわ」
「はいはい、これからもよろしく『父さん』。ってことでここに保護者のサイン書いて学園の方に送っといてね~。それじゃあ僕は学園の準備とか色々しないとだから帰るよ」
そのままふらりとドアの向こうに消えた【零帝】だが、一拍置いてひょっこりと再び顔だけを隙間から覗かせると、「ああ、そうそう」と一言言い捨てて去った。
「しばらく仕事出来ないから他回しといてねー」
「はぁぁぁーーー!?」
後始末という名の仕事と共にーー
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