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「いえいえ、貴女が特に強力な無属性保持者なのは当然知っていましたがねぇ…。そのような姿で、それに念話なのですからなんらかのご事情がお有りなのでしょうがねぇ?」
相変わらず察しの良い奴だ。
そういうところもいけすかないが。
『僕の身体に直接触れたり、荒ぶっている時に近づくと命の保証ができないから仕方がないよ。下手しなくとも死ぬからね。声を出して話すにしても、うっかりヤバい事でも口走ってみろ。ロクなことにならないだろうねえ…』
自分で想像しても笑えない……。
「おやおや、それは一体どういったご事情で……?」
『まあ、そうだね。世話になるのであれば話しておくべきか。ただ、この事は決して他言してはならない。……いいね?』
この力は諸刃の剣。
全てを包み隠さなければならない。
全ては明らかにされてはならない。
今まで積み上げられてきたものは塵芥と化し、無為なことであると思わせては…ならないのだから。
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