0人が本棚に入れています
本棚に追加
とあるSNSに一件の投稿があった。タイトルは「見て」。
添付された写真には、瞳孔の見開かれた瞳のみが映っていた。
SNSには全世界から毎秒投稿が繰り返されている。
幸せな家族やおいしい料理、かわいい動物たちの写真や動画。自分の周りにこんなものがあるのだと人は話さずにはいられない。知ってほしいと呼びかける。なぜ知らないんだと憤る――想いの蟲毒に他ならない。
呪いの根底は「思い込ませること」。恨みつらみは一重二重に重なり続けて、呪った相手と自分を殺す。
瞳はただの瞳ではなく。ただ眼前の、アナタを見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!