0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの…カメラ、お好きなんですか?」
僕が悶々としている隙に、彼女は僕の近くまで寄ってきていた。
「ぉわぁっ!?」
予想外の展開にビックリして、僕はつい、変な声が出てしまった。
「あっ…!すいません…。」
申し訳無さそうに彼女が謝る。
「いっ、いえいえ!僕の方こそ…驚いてしまって、すみません…」
いつもの調子でオドオドしてしまっている自分がいる。このファーストインプレッションで大概『変な人』などのレッテルを貼られる。
「カメラ…、お好きなんですか?」
僕の心配をよそに、彼女が僕に質問してきた。
僕も首にカメラをぶら下げているものだから、気になったのだろう。
「はい…、僕、写真を撮ることが趣味なんですよ。今日も…、ここで写真を撮ろうかと思いまして。」
「それじゃあ、私と一緒ですね。私も見ての通り、写真を撮ることが好きで、今日も、その為にこのひまわり畑に来たんです。」
「あっ…、そうなんですか…!」
彼女と趣味や行動が一緒。それだけで僕の胸の鼓動が限界に突破しようとしていた。
(だめだ…、平静を保たないと…!)
そう思って、彼女の方に視線を向ける。
彼女は、遠くの方に視線を向けていたが、
どこか、寂しいような、虚しいような、そんな顔をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!