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「ありがとうございました…!良い写真ばかり撮れました…。」
僕は若干興奮気味で彼女にそう伝える。
「いえいえ、私もすごく楽しかったです。」
優しく微笑む彼女。
「じゃあ、最後に一緒に撮りましょうか」
えっ、と思った。
これ以上嬉しいことは無かった。
まさか、彼女の方から言ってくれるとは思わなかったから。
僕は興奮気味に首を上下に振りまくった。
こんな感じでしか思いを表現できない自分が情けない気もするけど。
僕のカメラに、念のため持ってきておいた三脚を繋げ、タイマー設定をしてから、立てる。
カメラのレンズが、僕たちを捉える。
「どんなポーズにします?」
微笑みながら彼女が問いかける。
「うーん、あなたの好きなようにしてくれればいいですよ…。」
変な返しになってしまった。
それでも彼女は優しく微笑んで、
「じゃあ、とりあえずピースにしておきますか!」
シャッターが切られる。
僕は無理矢理笑顔になることが苦手だ。
いつも顔が引きつってしまう。
だけど、今この瞬間は、自然な笑顔を作ることができた。
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