第1章

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「本当に好きな人だったら、苦痛になったりしないよ。ずっと一緒にいたい気持ちになるの。」 これは私が感じた気持ち ずっと高村くんに触れていたかった 高村くんは私を離さなかったなー なんて話ながら数週間前のことを思い出す。 「ああ、きっとそうなんだろうな。 それは浅井ちゃんの体験談?」 加藤くんがニヤニヤしなから聞いてくる。 「な、何いってるの、一般論よ。」 「へー、実感が込められてる気がしたけどな。 そういうことにしてやるよ。 俺も… そんな風に思える奴に会えるかな?」 神妙な顔で聞いてくる加藤くんは、昨日とは少し感じが違うような気がした。 「会えるよ。 遊びの付き合いばかりしてると、ホントに好きになれる人を逃しちゃうかもね。」 「……。」 自分のことを正直に暴露し、考え込む加藤くんは きっと人を愛せる人だ。 いつも悪ぶってるけど、きっと彼は素直な子だ。 私の言葉に耳を傾け、今までのことを反省してるように見える。 そう思えたら少しホッとした。 興味本意で大人になっても、それが違ってると気付くことができれば、彼もきっと変わることが出来る。 本当に好きな人と幸せな恋愛をしてほしい。 黙って横を歩く加藤くんがずっと一緒に居たいと思える人に出会えることを祈った。
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