第1章

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「男の子が抱きたいのは好きとかじゃなく本能なの。 ちゃんと恋をしないで体の付き合いを始めてしまったことが問題なの。 恋をする気持ちを育てる前に簡単に体をの付き合いを始めて、彼の中であなたは欲望を満たすだけの人になった。 だから満たされるとあなたを避けたくなる。」 「嘘だよ、私はちゃんと彼が好きだよ。彼が望むならすべてをあげていいと思ったからエッチしたのに…。」 「女の子と男子では違うの。 女の子は気持ちが先だけど、男の子は気持ちがなくても欲望でエッチできる。 彼はどちらかが飽きたら終わりだって言ってた。」 「私は飽きない。」 唇を噛み締め顔を歪める中村さん 彼女は薄々別れが近いことを感づいていていたのかもしれない。 行為が終わった後、加藤くんのそっけない態度に虚しさを感じていたのかも… 「彼はお互い遊びなんだって考えてた。 彼のことが本当に好きなら、これからちゃんと恋をすればいいじゃない。」 「どうすればいいの?」 今にも泣きそうな顔で聞いてくる中村さんが可愛そうになる。 まだまだ彼女は若い。その気になればいくらだってホントの恋が出来る。 その時の為に、体は大事にして欲しい。 「気持ちを伝えるの。加藤くんだから体を許したんだってこと。加藤くんだけが好きで他の人は考えられないって。」 「そんなこと言ったら、重いって引いちゃうよ。」 「彼がそれで引くようなら、貴方のことを遊び以外には考えられないのだと思う。その時は諦めなさい。 どうするかはあなた次第ね。」 「そんなの怖くて出来ないよ。」 「そのうちあなたを大事にしてくれる素敵な人が絶対現れる。 それは加藤くんかもしれないし、違う人かもしれない。 それまで安売りしちゃダメだよ。」 別れたときの高村くんの気持ちが分かった気がした。 私を欲望の捌け口だけにしたくなかったからなんだ。
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