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「沙織から聞いたよ。
けど、アイツは今まで何人も男を変えてるんだ。そんなの信じられない」
吐き捨てるように話し、口を尖らせた。
今頃何言ってるんだって言葉が聞こえてきそうだ。
「そうなの?
たぶん彼女はその度に本気なのよ。
相手に合わせて都合のいい女の子を演じたんだ。」
「俺の連れの中でも沙織は誰にでもやらせるってことになってる。
本気で付き合おうってヤツは誰もいないよ。」
ダメだよ中村さん
心の中で中村さんにダメ出しをした。彼女はきっと好きになったら抱かれたくなる人なんだろう。心と体が直結してるのか?
ある意味気持ちに正直なのかもしれない。
それにしても自分が好きだった男の子たちにそんな悲しいことを思われてるなんて…
考えただけで胸が苦しくなる。
「そんな…
それでも彼女は加藤くんが好きだったわよ。
加藤くんは遊びって割りきってたんだね。」
中村さんも軽すぎたかもしれないけど、そんな彼女の惚れっぽいことにつけこんで欲望の捌け口にした男の子たちは最低だ。
モヤモヤして吐き気がしそうだ。
「ああ、彼女と関係を持ったヤツはみんなそうだ。
彼女もそうだと思ってた。」
「なんだか悲しいね、聞きたくないな。」
「俺も最低だって今なら思えるけど…。」
加藤くんは言い終わった後ため息を吐きながら、憂いの表情を浮かべた。
彼なりに反省してるように見える。
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