第1章

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「加藤くんは少し成長できたみたいね。」 「そうかな。数人と付き合ったけど、浅井ちゃんが言ってた本当に好きなやつはいない。 これからは欲望のままには止める。」 「加藤くん…」 「した後、嫌な気分になるんだ。一緒にいるのが苦痛で… 幸せな気持ちには程遠い。女の子にも優しくできなくて… 今は、した後どうなるか分かるから誘われてもする気にならない。あんな最悪な気分になるなら、自分でした方がましだ。」 「そう…。」 「何でそうなるのか自分でも分からなかったんだ。浅井ちゃんに言われて気持ちが無いからなんだって分かった。」 加藤くんの顔は前のようなふざけた感じではなく、高校生らしいものに思える。私の伝えたかったことを理解してくれたことが嬉しかった。 「そっか、気付けたんなら変われる。いつかきっと素敵な恋ができるね。」 笑顔を向けると、 「だといいな。」 素敵な笑顔を返してくれた。
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