6人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休み、お弁当を食べてまったりしてると
「浅井先生、明日の夜のご予定は?」
その声に聞こえないふりをしたくなる。
もちろん高橋先生だ。この間から再三山口先生のお宅に一緒に行こうと誘ってくる。
行きたいなら一人で行けばいいのに…
彼女には誘わなければいけない理由がある。
知ってるけど、私は山口先生のお宅にお邪魔する目的はないし、興味もない。
山口先生は苦手だ。何かにつけて気づけば側にいるし、私が荷物を持っているとさっと奪い取り
「持ちますよ、どちらに持っていくのですか?」
などと言う。
回りの先生たちも冷やかすように
「山口先生は浅井先生に優しいですね。」
そんな風にからかうもんだから、何となく職員室内では公認の仲のように取られてる気がする。
これ見よがしに先生たちの前で優しくするのはやめてほしい。
「大丈夫です、一人で持てますから。」
「あらら、山口先生、ホラもっと押さなきゃ逃げられますよ。」
「分かりました、先生方の応援を無に出来ないでしょ?僕に任せてね。」
取り返そうとすると、私の手を避けるようにして
「行きますよ。」
山口先生はイタズラな目を向ける。
仕方なく荷物を持ってもらい彼の横に並ぶ。
山口先生は狡い。回りを巻き込んで近づいてくる。先生方の手前、無下に断れなかったりする。
最初のコメントを投稿しよう!