第1章

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家に呼んだりしていて、プライベートに入ってこられるのは困る。 同僚の先生や生徒は学校だけでいい。 高村くんが来ているときに来られたりしたら面倒だし、二人でいるところを見られて彼が優人だって気づかれたらそれこそ大変だ。 不安な芽は摘み取るべきだ。 『同期で親しくするのはお二人でどうぞ。高橋先生の恋に私を巻き込まないでください。』 心のなかで呟きながら席に戻った。 同期会はなんとか免れてホッとしたのもつかの間、 その日の職員会議 終業式後の夜、ビアガーデンでの先生方全体の懇親会の話が持ち上がった。 「新人の先生の歓迎会がまだですので、それを兼ねての親睦会を計画しております。 既に店は押さえてあります。 先生方、お忙しいとは思いますが、是非ご参加をお願いします。」 幹事の佐々木先生のお言葉があり、ほぼ全員参加することになった。 新人の歓迎会も兼ねてだし、先輩先生方のお誘いは断ることができない。 一次会だけ参加することにした。 お酒が弱いことは佐々木先生に伝えてあるから、大丈夫だろう。 なんて甘い考えだということに気づいたのは一次会が終わる頃だった。
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