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「浅井ちゃんは好きな人は?」
「いるわよ。」
じっとこちらを見ながら加藤くんが聞いてくるから、思わず視線をそらして答える。
「誰?」
「そんなこと生徒に言えないわよ。」
「どうしても浅井ちゃんが優ちゃんのアップされた写真の相手に重なるんだ。
あの時の気持ちが自分でも良く分からないけど、たぶん俺の初恋だと思うんだ。」
「あ、ええ、そんなこと言ってたわね。小学校の時でしょ?
そんな誰だかわかんない人より現実の人を見てね。
加藤くんは女子に好かれるから、いくらだってかわいい子が寄ってくるでしょ?
その子達の中に加藤くんがいいなって思える子がいるかもしれないよ。」
お願い、昔のことなんか忘れて
昔の写真なんて当てにならないんだから…
加藤くんには素敵な人がいるよ。
「優ちゃんの彼女の表情に釘付けなってから、ずっとその子の涙が胸に刺さった感じなんだ。
あの子に会ってみたい。じゃないと俺の本気の恋は出来ないよ。」
私がその子だと言ったら加藤くんはどうするんだろう?
そんなの怖くて出来ない
加藤くんが好きなのは昔の私
それも会ったこともない私が加藤くんの頭の中で美化されて一人歩きしてる
だからやっぱり私じゃない
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