6人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「見たのは小学校の時でしょ?
その子ももう大人になって変わってる。
会ってもいない人のことを思ってるなんて、加藤くん変わってるね。」
「そうかな…、俺、変なのかな?」
「変だよ。その子のことは忘れて現実の人を見た方がいいよ。
たぶんそれはただの憧れだから、きっと会ったら違ってたってことになると思うよ。」
「そう…かもな。でも、確かめてみたいから、優ちゃんに聞いてみる。」
「え、高村くんに?」
マズイ、高村くんに伝えなくちゃ…
嘘ついたと分かったら、何を言われるか…
加藤くんの反応が怖い
「滅多に来ないけど、お母さんの命日には来る。
位牌が家にあるんだ。それに、こっちにマンションも借りてある。命日に家に来る為だと思うけど…。」
「ふーん、高村君が来たら近所とか騒ぎになるんじゃない?」
「変装してくるから、誰もゆうちゃんだと思わないよ。」
「そ、そう。」
緑のジャージだ。
そういえば加藤くんのお姉さんらしき人が来たときもジャージを来ていた。
ということは…
あのマンションを加藤くんも知っているんだ。
最初のコメントを投稿しよう!