第1章

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「見たのは小学校の時でしょ? その子ももう大人になって変わってる。 会ってもいない人のことを思ってるなんて、加藤くん変わってるね。」 「そうかな…、俺、変なのかな?」 「変だよ。その子のことは忘れて現実の人を見た方がいいよ。 たぶんそれはただの憧れだから、きっと会ったら違ってたってことになると思うよ。」 「そう…かもな。でも、確かめてみたいから、優ちゃんに聞いてみる。」 「え、高村くんに?」 マズイ、高村くんに伝えなくちゃ… 嘘ついたと分かったら、何を言われるか… 加藤くんの反応が怖い 「滅多に来ないけど、お母さんの命日には来る。 位牌が家にあるんだ。それに、こっちにマンションも借りてある。命日に家に来る為だと思うけど…。」 「ふーん、高村君が来たら近所とか騒ぎになるんじゃない?」 「変装してくるから、誰もゆうちゃんだと思わないよ。」 「そ、そう。」 緑のジャージだ。 そういえば加藤くんのお姉さんらしき人が来たときもジャージを来ていた。 ということは… あのマンションを加藤くんも知っているんだ。
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