続・完璧男子に類なし

11/11

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
次第に、暗くなっていく。 パレードが終わりを告げる。 「・・・橘?・・・・・・橘!」 後ろに俺がいないことに気づいた瀬戸が、俺を呼んでいる・・・気がした。 しかし確かめる術はない。 なぜなら俺は、すでに遊園地の外にいたから。 まったく・・・愚かすぎだろ、俺。 愚か過ぎて笑いが出てしまう。 『みんながお前を好きになるの、わかるわ』 あんなの、大嘘だ。 みんなよりも、誰よりも・・・瀬戸のことを好きになったやつが、いるだろうが。 何をしても受け入れてくれたあいつに、 本気で惚れたやつがいるんじゃないのか。 「ふふ、はははは・・・・・・」 笑いながら、俺は歩いていく。 その笑いはもう、醜くはない・・・はずだった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加