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次の日、瀬戸は学校へ来た。
想像通り、みんなが瀬戸に駆け寄っていき、取り囲んでいた。
「大丈夫?」「心配したんだよ」
そんな思い思いの台詞を吐きながら。
1日中ずっと、気分が悪くて仕方がなかった。
休んでやろうかとも思った。
しかし、俺が休んだところで、みんなは俺のことを瀬戸のように心配はしない。
そのことを実感したくなかった。
拷問のような1日を終え、校門を出てすぐの俺に向かって、
誰かが歩いてきた。
汀だった。
昨日、瀬戸に静止されて殴れなかったから、今日殴りに来たんじゃないか。
そう思って構えたが、汀は冷静だった。
「公園まで一緒に来ていただけませんか」
無感情でそう言い放つ汀のあとを、黙って着いていった。
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