続・完璧男子に類なし

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「っあ!」 観覧車の中へ入るとすぐに、瀬戸を突き飛ばした。 少し怯えている瀬戸。 それは、俺のこの態度のせいもあるけど・・・ 「瀬戸さぁ・・・高所恐怖症なんだって?」 固まった瀬戸の顎をつかんで引き寄せる。 「完璧男子にも弱点はあるんだな。そりゃそうか、人間だもんな」 「・・・だから、ここに来たのか」 「ああ」 「俺が怯えているのを見て、楽しむのか?」 震えながらも反抗的な目で睨む瀬戸。 ・・・甘いな。 「ただ見てるだけなんて、つまんねぇだろ」 無理やり瀬戸の顔を反らす。 嫌でも外の景色が目に入ったらしく、瀬戸の身体がビクッとこわばった。 観覧車はすでに上昇している。 高いところが平気な俺にとってはなんでもない高さも、こいつにとっては怖くてたまらないのだろう。 「瀬戸、下・・・脱いで」 「え!」 「時間ないから、早くしろよ。で、脱いだら――」 小瓶を瀬戸へ放る。 「それ使って、後ろ解して」 「い、嫌だ!そんなこと――――ひっ!」 瀬戸がごちゃごちゃ煩いので、俺は壁をおもいきり蹴る。 機体が揺れた。 「早くしろって」 「・・・・・・っ」 瀬戸は震えた指でベルトをはずし、下半身を露にした。 そして、縋るような目で俺を見つつも、瓶の蓋を開け・・・ 「う、あああっ」 液体に絡ませた指を、入れた。 やらしい音がし始める。 「っふ、うう・・・っ、あ、ああ」 「よく解しとけよ。少なくとも、俺のがすんなり入るくらいは、な」 「や、だ・・・た、たち、ばな・・・ぁ」 「下向くんじゃねぇよ。せっかくの景色なんだから」 「やめ、やだっ、こ、こわ、い・・・っ」 顎をつかんで上を向かせる。 瀬戸の顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
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