二人の朝

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今度は激しく貪るようなキス。 この高鳴りが唇から伝わってしまうほど深く交じり合う。 「ん、ふッ…ふぁ」 空気を求めてその腕から逃れようとするが、腰をがっちり固定されて頭も押さえられており、されるがまま舌の侵入も許してしまう。 やがて頭がぼーっとして膝に力が入らなくなると、それに気づいて腰を抱く桐島の腕に力が入る。漸く唇が解放される。 「はあ、はあ……」 「はは、おとなしいお前もなかなかいいな」 息を乱す桜に対し、それほど乱れていない桐島が意地悪く笑う。 「何のつもりですか。私をからかってるんですか?」 頬を上気させた桜が恨めしげに見上げる。 「…最初はな」 「え?」 桐島が真剣な顔をする。 「初めてお前と会って会話した時は、おもしろい奴だと思ってちょっかいかけてた」 「……」 「けど、お前といると心地いいんだよ。なんつーか、作らなくていいっつーか」 「少しくらい私の前でも作っててほしかったです」 「こら。ちゃかすな」 さらに顔が近づく。明るい場所で近づくと、深海のような濃い藍色の双眸なのがわかる。覗き込まれて腰にまわした腕にくっと力を入れられる。 「今はもう、お前に夢中みたいだ……いろんな意味で」 すっと頬を寄せられ、耳たぶに甘く歯がたてられる。     
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