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「なるほど、猫さがしね。
ちゃっちゃと終わらせましょう。」
どう見ても、この依頼は子どもが出した依頼だ。
……という事はそんなに難しくはないハズ。
私はそんな簡単な気持ちで、フィリプさんに返事を返した。
そんな時だった。
「あ、居た!」
フィリプさんが叫んだ。
私はフィリプさんの視線の先を見ると、確かに特徴が似ている猫が歩いていた。
「あ~、あの猫そうじゃない?
急いで追いかけようよ。」
私は、机に2人分の代金を置くと、荷物を持ってフィリプさんの手を取り駆け出した。
私は猫を見失わないように、追いかける。
流石猫、身軽さを活かして高級住宅街へと向かって歩いていく。
「あっちに行ったよ。
フィリプさん!」
フィリプさんの手を掴んで、回り込む。
「そっちか……。」
フィリプさんも、猫を見失わないように回り込む。
「フィリプさん。
挟み撃ちにしようよ。」
私はフィリプさんの手を離して、先回りをする。
猫は優雅に、塀に飛び乗りトコトコと歩いている。
良し、まだ気づかれていない。
「気を付けてな。」
フィリプさんの声が後ろで聞こえた。
しかし今はそれどころではない。
早くあの猫を捕まえないと……。
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