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4 不規則音
あれから1時間が経った今、全くあの音はやまず、雨に混じりながら聞こえてくる。思ったが、1時間もずっと釘を打ち続ける力があるなら、どんな人が打っているのだろう、そう考え想像してみる。
何だかその光景が面白く思えてきてしまった俺は、いつの間にか怖さは消えていた。その時は雨も、あの音も聞こえてこなかった。
と、思った時だった。
「コン、ココン。」
突然、あの音がまた聞こえてきたのだ。しかも、今度は「コン、コン。」という一定のリズムではなく、不規則なリズムへと変わっていた。また、怖さが高まる。
「コン、ココン。」
「コン、コン、ココン。」
一体何なんだ。なぜ、俺がこんなめにあわなければならないのだろうか。
すると、「コンコン。コンコン。」
なんだが、音がさっきよりも近くなった気がしたのだ。まるで、俺の部屋の窓をノックしているかのよう。
これは本当にやばい。だが、もしそれが、本当なら俺は死んでしまうのだろうか。そんな事ばかりが頭の中を左右に行ったり来たりしているうちに、いつの間にか眠りについてしまっていた。
時刻は深夜3時半。雨は少し降り始めていた。
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