3話 中編

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「いやぁああああああっ!!!」 悲鳴が聴こえる。 ぞわりと肌が粟立った。 嫌な予感に後ろを振り返ると、生温かな赤色の液体が僕の頬を濡らす。 人間の腕が、宙を舞う。 その白く美しい指にはペンが握られていた。 「ぁああああああああっ……!!うで、腕がァッ……!!」 雫さんが膝から崩れ落ちる。 肘から先が無くなった腕を掴みながら、喉から人間の物とは思えない呻き声を上げている。 その首に、ぴたりと美しい刃が当てられた。 「なぁ、窪塚」 冷めた声が僕を呼ぶ。 「……俺さ、考えたんだよ」 酷く淡々とした声だ。 「お前を幸せにする方法。障害が全部なくなればいいんだろ」 能面のような顔が僕を見つめていた。 「こいつ殺して、そこのも殺して。そしたらさ、もうお前が我慢する必要ないだろ?」 その瞳には光がない。 彼は僕なんて見ていない 「お前は頑張ったよ。もう十分すぎるくらいだろ?なぁ、もう楽になろうぜ」 ……違う、僕しか見えてないんだ。 「一緒に幸せになろう、窪塚」 安城先輩はそうやって笑うと、刀を振り上げた。
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