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「せんぱいっ……!!」
「うわぁああああああああああっ!!」
伸ばした手は彼に届く事はなかった。
綴が先輩を突き飛ばす。
壁に積まれた無数の小さな箱がその衝撃で崩れ落ち、ガラガラと酷い音を立てた。
――どんなに小さくても、これだけの数になれば怪我では済まないかもしれない
それは今まで殺されてきた人々の復讐だったのか、恐ろしい数が僕らの命を奪おうと目掛けて降り注ぐ。
「安城先輩……!!」
「こはるっ!!」
「ッ……窪塚!!」
各々が大切な人を守ろうと必死に手を伸ばした。
僕が伸ばした手を、先輩が掴もうとしてくれる。
突き刺さるような痛みが身体中を蝕んでも、僕は無我夢中で走った。
「消し飛べぇええええええええッッ!!!!」
眩い光が辺りを照らし出す。
僕の手が彼の指を、掠めた。
あと数センチ、届かない――
「バカ野郎……!!」
それでも、
諦めかけたその腕を、先輩は掴んでくれた。
閃光が僕達の身体を包み込む。
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