3話 中編

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「せんぱいっ……!!」 「うわぁああああああああああっ!!」 伸ばした手は彼に届く事はなかった。 綴が先輩を突き飛ばす。 壁に積まれた無数の小さな箱がその衝撃で崩れ落ち、ガラガラと酷い音を立てた。 ――どんなに小さくても、これだけの数になれば怪我では済まないかもしれない それは今まで殺されてきた人々の復讐だったのか、恐ろしい数が僕らの命を奪おうと目掛けて降り注ぐ。 「安城先輩……!!」 「こはるっ!!」 「ッ……窪塚!!」 各々が大切な人を守ろうと必死に手を伸ばした。 僕が伸ばした手を、先輩が掴もうとしてくれる。 突き刺さるような痛みが身体中を蝕んでも、僕は無我夢中で走った。 「消し飛べぇええええええええッッ!!!!」 眩い光が辺りを照らし出す。 僕の手が彼の指を、掠めた。 あと数センチ、届かない―― 「バカ野郎……!!」 それでも、 諦めかけたその腕を、先輩は掴んでくれた。 閃光が僕達の身体を包み込む。
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