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目が覚めたそこは先程の花屋ではなく、外国のような街だった。
「ここは……? 」
訳が分からないものの此処が何処なのか知る必要があった。
近くの階段を降りて街を歩く。美しい街並みにもかかわらず人っ子ひとりいない。
どうしたものかと悩んでいるとふと、女性の声が聞こえた。
「どうかなさいました?」
不思議そうにこちらを見ている女性。
「良かった、人が見当たらず困っていまして」
「人がいない?こんなに賑やかなのに何をおっしゃっているんですか?」
そう言って可笑しそうに笑っていた。
周りを見れば確かに賑わっていた。先程までは静かだったのに。
やはり此処は何処かおかしい。
「此処は何処なんですか?」
一番の疑問を投げかける。
どんな答えが返ってくるのか不安でたまらなかった。
ほんの数秒間なのにとても長く感じた。
「もしかして、外国の方?此処は日本ですよ」
「此処が?」
そんなはずない。此処が日本?
だが、そうも言ってられない此処で怪しまれてはこれから先どうしようもなくなってしまう。
「あ、えと僕も日本人なんです、でもこの街に来るのは初めてで」
「そうなんですね!よろしければ案内いたしますよ」
優しく笑いかけその女性はこちらですと案内をしてくれた。
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