ブルーシェル

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 我に返った和也は、激しくうねっている『香織』にさらに灯油をふりかけながら横をすり抜けてドアの前に立つ。わずかに開いていたドアを閉めて、周辺に灯油をふりかけた。最後にドアの前から香織の方向に灯油の道を作った。 「香織こっちだ! 」  うねる物体が声に反応するように近づくと、ドアまで炎が燃え広がった。  バンガロー2つが同時に燃える熱量は大きく、蝸牛の姿は見えなくなった。二人は1号棟と2号棟の中間あたりの地面に座っている。さっきまで黙っていた里奈が口を開いた。 「許すわ」  香織との事を言っているのは間違いない。 「……うん」  和也は燃えるバンガローを見ながら考える。 (俺は二人の人間に許されたな) 1号棟に火を付ける前、ドアの隙間から蒼白な顔の芳治と目が合った。手にはライターを持っていた。  「いいんです。ありがとう」  芳治の言葉には色んな意味が込められていたかもしれないが、和也には全ては理解できない気がした。  (もし、ここで俺が蝸牛になったら、里奈をどうするのか?)  里奈の横顔を見ながら、自分は疲れていると思った。  「里奈、朝日が射して来たら下山しよう」  今日の天気:長野県北西部 雨

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