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恐怖のカタチ
あなたは小さい頃、幽霊について想像を馳せたことはないだろうか。
親から言うことを聞かない子供は幽霊に連れていかれるよ、と言われたり、 あるいは布団から足を出して寝ていたら、足を無理やり千切って奪っていくという恐ろしい幽霊の話を読んだりして、近いうちにその幽霊に襲われる自分を想像してしまい夜も眠れぬ経験をしたことはないだろうか。
子供の豊かな感受性はまわりの環境に影響され、正であれ負であれ様々な想像の産物を生み出す。
それに加え、それらが存在すると信じれる無知さと純粋さに溢れていた。
そして大多数の子供は、大人になるにつれ証拠がなければないにも等しいものと扱うようになり、不思議なことにしぼんでいくものだと私は思っている。
ところで…昔語りを挟む事になるのだが、このことについて語らせてもらえないだろうか。
これは、私の子供時代に起因する恐怖の記憶だ。
私が育った町は盆地にある。ある程度栄えていた中心街を離れれば、田畑と農業用道路や水路が網目状に走る、のどかな風景が広がる田舎である。
私の生家も、その田舎の風景を彩る山裾に建つ木造一軒屋のひとつだ。
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