31人が本棚に入れています
本棚に追加
娑羯羅 が光奈の手首をつかんだ。
「ヤダッ、離して!」
「おとなしく、あたくしと来い」
華奢な外見には似合わず凄い力だ、いくらもがいても娑羯羅 の指は光奈の腕に食い込むばかりで、少しも緩まない。
「イタイ、離して……」
不意に腕の痛みが消え、足元の近くに何かが突き立った。
見ると今まで娑羯羅 が立っていた場所に、ドライバーが突き刺さっている。娑羯羅 は光奈から五、六メートル離れた場所に飛び退いていた。
「さがれッ」
背後から鋭い声が響いた。
「真明くん!」
鳳羅須が光奈をかばうようにして立ちはだかった。
最初のコメントを投稿しよう!