第五章 覚醒

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「残念だったな、竜爪の間合いはお前が思っているよりも広い」  とっさに身をかわしたが避けきれず、頬が焼けるように痛んだ。 「なるほどな……」  さらに数歩、後にさがる。 「そんな事をしても無意味だ」  竜爪が向けられ、見えない刃が放たれる。  鳳羅須は聖鳳を一閃した。何の変化も音も無かったが、確かな手応えがあった。  娑羯羅(しやがら) の顔が一瞬こわばり、再び竜爪を向ける。  聖鳳が閃き、見えない刃はまた叩き落とされた。 「くッ」  幾度となく娑羯羅(しやがら) は小太刀を向けたが、その度に素早く振るわれる聖鳳に阻まれ、見えない刃は鳳羅須に届くことはない。 「莫迦な……」  鳳羅須は娑羯羅(しやがら) が竜爪を向けてから、見えない刃が届くまでの時間を見切っていた。  今度は聖鳳から光の刃が放たれた。  娑羯羅(しやがら) は竜爪でそれを阻む。  が、光の刃すぐ後ろに鳳羅須がいた。彼は放った刃を追ってきたのだ。  娑羯羅(しやがら) に体勢を整える暇は無かった、聖鳳刀の実刃が首に迫った。
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