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バスのドアが開き、年齢も性別もさまざまな人達と一緒に、大柄な男が入ってくる。
肩にかけられたスポーツバックには、宇都宮(うつのみや)の文字。
高校野球に興味がある人なら、つい、注目してしまう高校名だ。
甲子園出場の常連校。
公式戦で一勝もできない俺達と、プロのスカウトマンを唸らせるほどのプレーができる奴ら。
素人だって、その差が大きいことくらい、わかる。
なんで、宇都宮が白山(はくさん)と同じ方角にあるんだ?
悪意にしか思えねぇ。
もちろん、俺達は俺達で一生懸命、野球をしている。
引け目に感じることはない。
けど、周りが許してくれない。
二年と少し、奴らと同じバスに乗り合わせていると、他校や中学生、はてには、酒を飲んでいるだろうって感じのおっさんにまで、比べられ、からかわれる。
強豪校と弱小校が一緒のバスって、うける。
うけねえよ。
宇都宮はオーラが違うよね。
目の錯覚な、それ。
野球、教えてもらったらどうだ?
もはや、俺らのこと、全否定?
くそっ!
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