2章 スキャンダル

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・ 「…っ…商品てなんだよっ」 あまりに辛くて顔が歪む。 彼女の口から次々に浴びせられる言葉に胸の奥が詰まった。 「…っ…健兄にバレたらあたし困るから。だからやめる」 「──…っ…ふざけんなっ!こんなことになって一番困ってるのは俺だっ!!──」 「──…っ…」 なんなんだよ今日は── 昨日はめちゃくちゃ幸せだったのにっ… あんなにキスさせて好きだって言わせてっ…… 眠れないくらいドキドキさせたくせにっ── 「今日…ずっと晶のことだけ考えてっ…どうやって喜ばせようかってそればっかり考えてっ…好きだって言葉も聞かせてもらってないのにっ…こんな中途半端でやめられるかっ!」 「……呼び捨てにすんな…」 「だったら晶こそ好きにさせるなっ!…っ…こんなにっ…──好きにさせんなっ!!」 もう胸が裂けるっ 一緒にいたらもっと好きになる それがわかってるから── もっと一緒にいたいのにっ── 彼女の言葉が普段は冷静な俺の心をむやみにかき乱す。 酷い言葉に彼女の背中を睨んでも憎みきれない── もうこんなに嵌まってる…
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