2章 スキャンダル

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・ 「ねえ…──晶さんっ…頼むから考え直して…」 この懇願を聞き入れてくれるのだろうか── 未だ背を向けたまま俺を拒否し続ける彼女を思いきり抱き締めて、うなじに顔を埋めた。 こんな恋をしてどうやって終わらせるのかもわからない… これからたくさん愛していくつもりでいたのに… 彼女は不意討ちばかりを俺に与える── 胸の底で焦げ付いたこんな苦しい感情を俺はいままで知らない… 「晶さん…」 「………」 「晶さん…っ…これ以上なにも言わないならっ俺、あなたを犯すよ?」 「…──っ!?」 しょうがなかった。 何をしてでも彼女からの反応が欲しくて── 無理強いでもいいからちゃんと目を見て相対して欲しかった── 無理に振り向かせた彼女は驚いて見開いた瞳で俺を真っ直ぐに見ていた。 初めて出会ったあの日と同じように 真っ直ぐな視線の黒い瞳の中に俺をしっかりと映していた……
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