5人が本棚に入れています
本棚に追加
若いサーファーのたくさんいる浜辺に十代の女の子が一人でいるのは危ない。
だってきっとナンパされちゃうもの。
「ヘイそこの彼女! オレらと甘茶シバかん? 悪いようにはしないぜ。マブイ子には甘々だからな」
なんて私を誘うんだわ。きっと誘う。誘うってば。誘われない訳がないわ。誘わないのなら海から二度と浮かばないようにしてあげるんだから。
私は貞操を守るために防波堤から三段跳で消波ブロック飛び移り、さらにその先の消波ブロックまで移った。
白く泡立つ波間に、はしゃぐ男女のサーファーの笑顔が見える。
くすん。
クソが。
足元に現れたフナムシは、私と同じひとりぼっち……と思ったらいきなり目の前で交尾を始めたから、すぐさま踏み潰した。だって虫さん、コワイんだモン。
くすん。
虫のくせに。
死にさらせ。
最初のコメントを投稿しよう!