母はアルバム星人

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「あ、ちょっとー」 「いい顔だったのよ。色々な感情がない交ぜになってね」  あんたのせいだろうが! と怒鳴りたいところをグッとこらえ、体を宙に浮かせる。頭のうしろで手を組み、仰向けになった。  ここで怒れば、母の思うつぼである。 「スカートがめくれてるわよ。はしたない」 「いいよ。お化けのパンツなんてだれも見ないでしょ」 「撮るわよ」  なんて母だ。わたしは怒る気にもならず、壁の中に埋もれた。 「これでいいでしょ」 「あら、壁から顔を出すのも斬新ね」  パシャ。  やはり母はアルバム星人だ。
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