魔王様、帝に…。

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俺は、拳に雷を纏わせ力一杯風の壁を殴った。 拳が、風に当たると俺の拳から血が流れた。 「いって!」 なんだ、あの風。 ただの風じゃないのか。 「残念だったね、この風は斬撃と同等の切れ味があるのさ!」 うわぁ、めんどくせぇ。 「…光が全てを埋め尽くす【麻光】」 と、ミルシィが魔法名を言った瞬間、周りが真っ白になり、光が収まると風帝の風の壁が消えていた。 「…ハヤテ君、今。」 俺が、背中に差していた鉄の棒を風帝と炎帝の間に差した瞬間、風の壁が復活した。 「…まだ、これだけしか…もたないか」 何が起こったかよくわからんがチャンス! 「雷よ、媒体を通じ我を運べ【誘雷】」 俺の体が雷となり姿を消し、次に俺の姿が現れたのは風帝と炎帝の間だった。 「ハロー」 俺は少しにやけながら風帝を蹴り飛ばし、その反動を利用してくるっと回り、炎帝を風帝とは逆の方向に蹴り飛ばした。 「…ナイス」 さてと、分断はできたんだが、ここからどうするかなぁ。 あの魔法が遅いって言っても、帝だしなぁ。 タイマンは、あまりよろしくない作戦だが…。 「…私、あっちやるね」 ミルシィはやる気だし、やるかぁ。 俺は、ため息をつきながら炎帝と向き合った。
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