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頭の痛さに耐えて何とか机に座ると、PCの電源を入れる。ファンの回る音、起動音、パスワードを打つキーボードの音。
chromeを立ち上げる。エブリスタにログインする。
ハンドル名 (雪殻)
別に雪に対して特別な思いがあったわけじゃない。むしろどちらかといえば雪は嫌いだった。ウィンタースポーツをするわけでもないし、降れば何かと面倒だ。冬は寒さが頭痛を5割増しにする。私は雪が嫌いだった。
だからこそ、雪の殻というハンドル名は私らしくていい。苦しみと痛みの詰まったこの肉体を雪と例えるなら、少し好きになれるような気がした。雪で出来た殻を溶かすことができたのなら、その中に何が入っているんだろう?何が出てくるんだろう?そんな期待を持たせてくれる。
殻は殻らしくカッコをつけてみる。引きこもらざるを得ない今の私にはこのカッコが必要な気がした。いつかこの引きこもり生活を終わらせることができるなら、このカッコも取ってあげよう。
自分に対してちょっとだけ優しくなれるこのハンドルは私のお気に入りだ。
小説なんて書いたことはない。一応、始めるにあたって「1か月で小説を書く」とか「あなたもなれる!小説家になる方法」といったハウツー本やサイトも読んでは見たけれど、まぁ、実際やってみないと分からないよね、という感じで書き始めたのが、「白い大地は幾重にも重なる」だ。
東京の大都会が雪に覆われたらどんなだろうという思い付きをそのまま文章にした感じ。特に構想もキャラ設定もないから、これから何処に向かうのか私にも分からない。
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