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本当は近未来世紀末バトルをシリアスかつコミカルに描ければ、と思っていたのだけれど、今日現在の状況ではちょっと恋愛模様になっていて、私自身戸惑っている。こういうキャラクターとの出会いが小説を書く楽しさなんだな。闘病生活のなかでは新しい発見をすることもないから新鮮な感覚だ。
ユキとヒロトはこれからどんな愛を紡いでいくのだろうか、楽しみでもあり不安でもある。
ユキは私には全然似ていない。私はあんなに捻くれてないつもりだし、暴力だって振るわない。
私は好きな人の前では上機嫌になりすぎて失敗するタイプだったから、ユキみたいには絶対になれない。でも、この子が私から出てきたということは私の中にきっとユキみたいな部分があったんだと思う。そういう発見が私を癒す。
ヒロトが意外と女の扱いに慣れていてビックリした。私の中ではもっとガサツな唐変木のイメージだったから。でもこれはきっと女の扱いというよりも、ユキに対する扱いなんだよな、幼馴染だからユキにだけは上手にやれるんだ。きっとそうだ、だからこそ、トラやハクが二人の関係を面白がって見守っているんだろう。と作者らしくない納得をしてみる。
ヒロトがユキを抱いてここが俺の帰る場所だって自覚するシーン。なんかわかるなぁって思う。自分で書いてるんだから、そりゃ分かるだろ、とセルフツッコミをしたくなるけれど、あのシーンを書くまで私にも同じ経験があるということを全く忘れていた。恋人の匂いに包まれる幸せな体験が私にもあった。
それを失う経験で上塗りされてたから、思い出せなかっただけだったのだ。
ああ、そうだ。私にも「幸せ」があったんだ。そうだったんだ。思い出させてくれてありがとう。
そうタイプしなら目頭が熱くなるのを感じている。
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