02-髪を切るということ

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02-髪を切るということ

今週は全く筆が進まなかった。 「白い大地は幾重にも重なる」のあの先だ。あの女の子がどうも動いてくれない。自分が何者か自覚していない少女というのはありふれた設定だけれども、あの子をそういう存在として描くと決めてから全く筆が進まなくなってしまった。書いても書いても納得がいかない。書いてはゼロから書き直す、そんなことを繰り返す週になった。 ミサトと名付けたあの子がどうやってヒロトやユキとかかわっていくのか、自分の中で分からなくなっている。彼女の持つ裏設定みたいなものに縛られてキャラとして動かすことができなくなっている。 ごめんね。もう少し時間をください。彼女たちにそう言って、世に出すのをもう少し待ってもらう。 ヒロトやユキが私の一部だというのならミサトも私の中から作り出さなきゃいけないものなんだ。だからまだ、彼女は私の中で育てていかないといけない。私はもっと彼女のことを知らないといけない。まわりまわって私が私のことを知らないと、彼女は生れ出てはくれない。 代わりに二つばかり構想を練ってみた。前見たハウトゥー本にあったプロットやキャラクターシートというものを手探りで書いてみる。一つはイベント用の魔法世界もの。一つはSFのアンドロイドもの。魔法物はイベントの締め切りが10月で何とかこれに間に合わせたいと思っている。 何とか、前に、進まなくっちゃ。それが例え他の人から遊びだとか無駄だとか言われようともせめて自分だけは信じてあげないといけない。小説を書くことが何かを変えるきっかけになることを信じてやるしかないのだ。 ガムシャラにというほど取り組めていないことを体調のせいにはしたくない。頭痛も腹痛も何もよくはなっていないけれど、目的を見つけた今はきっと以前よりは前に進んでいるはずなのだ。 火曜日に美容室に行った。この美容室には私は特別な思い入れがある。 店長のJさんと話をする時間が私にとっては大切な時間なのだ。
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