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「はい、は1回でよろしい。いってきます!」
『いってらぁ』
手をヒラヒラさせて仕事へ向かう母を送った。
ガシャン!
とドアが閉まる音と同時にこみあげてくる怒り。
なんで母さんがこんな時間に働かなきゃいけないんだよ…
携帯に表示された時計は6時を指している。今の時間から12時まで母さんは働く。
これも全部、あいつのせいで。
「稀斗ぉ!!」
呼ばれた。あいつに。
『…なに。』
「買い物行ってきてくんねぇ?」
『勉強してるからパス』
「行けよ。まったく…うぜぇな…自己中め…」
悪かったな。言うが、お前のが自己中だ。
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