第01話

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「はい、は1回でよろしい。いってきます!」 『いってらぁ』 手をヒラヒラさせて仕事へ向かう母を送った。 ガシャン! とドアが閉まる音と同時にこみあげてくる怒り。 なんで母さんがこんな時間に働かなきゃいけないんだよ… 携帯に表示された時計は6時を指している。今の時間から12時まで母さんは働く。 これも全部、あいつのせいで。 「稀斗ぉ!!」 呼ばれた。あいつに。 『…なに。』 「買い物行ってきてくんねぇ?」 『勉強してるからパス』 「行けよ。まったく…うぜぇな…自己中め…」 悪かったな。言うが、お前のが自己中だ。
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