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「待ちなさい」  そうだ、報酬を忘れていた。 「あっ?お代ですか?」 「舌で舐めるだけの治療に金なんか払えるか?」 「えーっ?キチンと治療したでしょ?」 「腕、イヤ、舌は確かだな?どうだ?これからは伊賀の為に働かぬか?」  戦国時代の伊賀の国は北畠氏と六角氏の2大勢力によって支配されていた。  徳川の為ではないのか?  治療したのに金をもらえないってゆーんじゃ大損だよな? 「分かりました」 「よし」  村正は徳川家に凶事をもたらす刀だ。  家康の祖父、父、息子……相次いで村正によって葬られている。  村正村は今でゆー反政府勢力だ。  正成の口ぶりからは徳川ではなく、六角や北畠に力を貸すように聞こえる。  正成を狙ったのはハルカなのだろうか?  伊賀は織田信長の次男、織田信雄に調略されている。六角は生き延びるが、北畠は信雄によって滅ぼされている。  第六天魔王と戦わなくてはいけないのだろうか?  祠を使って伊賀国にワープした。   近未来的な城に胸が高鳴った。  ナニモノかによって時空が捻じ曲げられたようだ。管制塔から隊員が出てきた。 「レーダーがドルニエを感知しました」 《空飛ぶ鉛筆》の異名を持つドイツの爆撃機だ。  第2次世界大戦のときに活躍した。 「はじめまして、トオルっていーます」 「竹中半兵衛です」  竹中反米?  美濃の斎藤氏に仕えていたが冷遇されて羽柴秀吉の軍師になった。この世界では伊賀国で管制官をしているのか?クルクル回るメロンソーダみたいな色をしたレーダーに機影が映った。  ピコーン、ピコーン、ピコーン♪ 「何としてでも伊賀国を守り抜け!?」  服部が怒号を上げた。    竹中半兵衛がグレネードランチャーを撃ってドルニエ爆撃機を撃墜させた。  出番は特になかったな?  これだけの武器があれば信長を倒すことも夢じゃないかも知れない。  瓦礫とかしたコクピットのあたりで何かが蠢いた。ガサゴソ………背筋が寒くなる。  黒焦げになったパイロットがズリズリと這いずっているのだ。  ゾッ、ゾンビだ!  俺はペロペロゾンビを舐めた。  竹中たちは怪訝そうに見ている。 「死ぬかと思ったぜ?ありがとうよ?」  パイロットに褒められた。 「敵を生き返してどーゆーつもりだ?」  服部に叱られた。 「苦しんでいる人を放っておけない、罪な人間なの、ア・タ・シ」  
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