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美女の名前はハルカってゆーらしい。
「舐めて治すなんてナカナカの名医ね?」
「イヤ、それほどでも」
「村正村って上から読んでも下から読んでも村正村なのよね?」
「山本山みたいね?海苔を想像したら腹が減ってきた」
「徳川幕府を潰すために力を貸してもらえないかな?」
「俺って攻撃タイプのキャラじゃないからさ?」
「逃げちゃうの?」
「弱いからさ?痛いのはゴメンだよ」
徳川幕府?この女、ナニを寝ぼけているんだ?
1868年に新政府軍によって潰されたはずだ。
タイムスリップでもしてきたのだろうか?
「村正村には祠があってね?そこから過去に行くことが出来るの」
「そりゃあ面白そうだ」
キチンとした仕事が決まるまでは妖怪退治をしないといけない。武器を買って戦いに備えないとな?
戦国時代、平安時代………イロイロな時代にタイムスリップが出来るそうだ。それにはより強力な武器が必要になる。
ハルカと別れて漁港にやって来た。
釣りをしたが、これといった獲物はかからなかった。派遣でもしようかな?ボーナスはもらえないけど、今よりは安定するかも知れない。
常に舐めないといけない。そのうち警察につかまるかもしれない。
デカイ斧を持ったオッサンが近づいてきた。
「おい、ガキ……ハルカを見なかったか?」
「アンタ誰?」
「ワシは本多忠勝じゃ」
蜻蛉切りと呼ばれる槍の名手だ。徳川四天王の1人に数えられている。
「ローマートのところで見たよ」
「そうか、奴は徳川家の裏切者じゃ」
ハルカが殺されるのも時間の問題だが、死にたくはない。まっ、どーでもいいか?
今の俺じゃ本多はおろか足軽兵さえも倒せない。
村の西にやってきた。
「どなたかお医者さまはいらっしゃいませんか?」
太めのオバサンが声を張り上げている。
血をダラダラ流した兵士が倒れている。
「クソッ……あのアマ」
兵士は肩を斬られたようだ。
俺は兵士の肩をペロペロ舐めた。
「あれ?痛みがなくなったぞ?血も止まった」
「そりゃあよかった」
「お主、名前は何と申す?」
「トオル」
「ワシは服部正成」
服部半蔵のことだ。徳川家に仕える忍者、出身は伊賀の国だ。
「誰にやられたんですか?」
「知らねー、イキナリ切りつけてきやがった」
「それじゃあまた、どこかで」
戦うのはゴメンだ。
「待ちなさい」
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