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自分の声が低くなっている。
美蘭は少し困った表情をする。
「なんでって。えっと・・・、告白されたから。高橋君、かっこいいし、面白いから、一緒にいたら楽しいかと思って」
「・・・そういうもの?」
私の一番の友達に恋人ができた。
高橋先輩、知ってる。野球部でキャプテン、1つ学年が上の、イケメン。
想像できる。高橋先輩と美蘭が一緒に歩いてる姿。
お似合いだ。
「私、付き合ったことがないから、付き合うってどんなものか、知りたかった」
胸が張り裂けそうになった。
美蘭と高橋先輩が手を繋いでいる姿を想像したら
胸がぎゅっとなってきた。
美蘭は私の顔色を伺う。
「ごめんね、こんな理由で。でもこれからも真菜と一緒にいる時間は変わらないから!」
私の表情は固くなる。さっきまでの気持ちの高揚が嘘みたいだ。
「ま、真菜は気になる人、いないの?もしいたら、私お手伝いするからね」
美蘭は誤解してる。
私が抜け駆けしたことを怒ってるのだと思っている。
違う。
この気持ちは違う。
幼い頃からずっと美蘭とは一緒で、いつだって隣にいてくれた。
毎日、一緒に通学路を歩いた。
美蘭は、私の大切な人。
なんで私は、彼女の恋人になれないんだろ。
女同士だから?
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